幼稚園から高校まですべて私立に通った場合、授業料や学習塾費などの学習費総額が過去最高の1,830万円に上ることが、文部科学省の調査で分かった。すべて公立だと540万円で済み、3倍以上の費用がかかる計算で、子どもを大学へ送り出す世帯の負担がぐんと重くなっている。

 調査は1994年度から2年に1回実施しており、今回は全国の幼稚園、小学校、中学校、高校に通う園児、児童、生徒の保護者約2万9,000人を抽出、うち計1,140校の2万4,748人から保護者が子ども1人に使った経費について回答を得た。

 それによると、幼稚園児1人当たりの学習費総額は公立約22万4,000円、私立約52万8,000円、小学校の児童が公立約32万1,000円、私立約159万9,000円、中学校の生徒が公立約48万8,000円、私立約140万6,000円、高校の生徒が公立約45万7,000円、私立約97万円。
このうち、高校は国や地方自治体の修学支援制度の影響で授業料や学用品など学校教育費が下がり、私立で前回調査を6.8%下回ったが、公立はおおむね横ばいといえる1.4%増となった。

 幼稚園から中学校までも公立はおおむね横ばいの範囲内で推移しているが、私立は近年増加傾向が続いている。文科省は2020年度から私立高校の授業料実質無料化など対策を講じていくとしている。

参考:【文部科学省】平成30年度子供の学習費調査の結果について(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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