関西学院大学は、発展途上国を中心に活動する国際医療ボランティア組織、ジャパンハートと協定を締結。この協定をもとに、国際ボランティアの取り組みとして、ジャパンハートがカンボジア・プノンペン郊外に設立したこども医療センターに学生を派遣する。
カンボジアでは、現在、無償で小児の固形腫瘍治療を完結できる病院の数が少ないうえ、医療者や家族の知識不足から病院を受診する前に手遅れになるケースがたくさんある。こうした状況を改善しようと、関西学院大学から派遣される学生は、”小児がんが治療で克服できる”という啓発活動と、こども医療センターのカンボジア国内での認知度を上げるための広報業務などを担当する予定で、カンボジアの子どもと医療をつなぐ重要な役割が期待されている。初回の派遣は、2020年9月から2021年2月の5カ月間の予定。
派遣された学生たちは約半年にわたり、現地で任せられた役割を果たすことで、関西学院大学のスクール・モットーである“Mastery for Service(奉仕のための練達)”を体現する世界市民として、子どもたちや地域の人々に奉仕し、国際社会へ貢献することの意味合い、大切さを学ぶ。
学生たちのカンボジアへの派遣について、村田治学長は、「関西学院は宣教師であるW.R.ランバスによって設立されました。ランバスは宣教活動だけでなく医療活動にも携わりました。今回のジャパンハートとの協定締結をもとに派遣される学生が、ランバスの思いを引き継ぎ、カンボジアで子どもと医療をつなぐ活動で国際貢献してもらいたいと願っています。」と期待を寄せた。
ジャパンハートは2004年、「日本発祥の国際医療NGO」として、小児外科医の吉岡秀人氏が、長年の海外医療の経験をもとに、医療支援活動のさらなる質の向上を目指して設立。東京に本部を置き、カンボジア・ミャンマー・ラオスで医療施設を運営している。 団体の活動は、日本から参加する多くの医療者やボランティアによって支えられ、通算で4,500名を超えるボランティアが参加し、これまでに途上国で20万件の治療を行ってきた。これらの活動は、「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に実施されている。