東京工業大学は、2020年度から全ての大学院生を対象にデータサイエンス(DS)と人工知能(AI)の教育を開始する。教育実施にあたって、Yahoo! JAPANや国内外のグローバル企業と協力し、大学院生が持つ高度な専門知識とDS・AIを組み合わせて、社会的課題解決や新産業創出に貢献できる人材育成を図る。

 文系・理系を問わず学部生にAIリテラシー教育を進める大学が増えるなか、理工系総合大学である東京工業大学は、これまで学士課程1年次の学生に情報基礎教育を実施してきた。その基盤を背景に、2020年からは、日本で初めて、大学院レベルの高度な専門分野を学ぶ学生に対して、DS・AIの核となる素養を身に付けさせる高度情報教育を開始する。単にツールとしてDSやAIを使うだけではなく、それらを相互に共有することで専門分野の境界を越えた連携や共創を可能にし、最先端の研究開発や社会実装を推進できる高度な人材を育成する。

 具体的には「データサイエンス・AI特別専門学修プログラム」と名付けた専門のコースを開設し、DS・AIの基盤系科目と応用系科目の教育を行う。授業と演習を対で行い、要件を満たす単位を取得した学生には、修了時に学長名の修了証書が授与される。基盤系科目は情報理工学院が中心となり、全学院の教員も参画して、ビッグデータ処理、AIプログラミング、深層学習などを教育。応用系科目では、実社会での課題をテーマに、Yahoo! JAPANや国内外のグローバル企業からの講師による実践的な授業と演習を実施する。

 プログラム開始は2019年度第4クォーター(2019年12月)からを予定する。トライアル授業から始めて、2020年度第1クォーター(2020年4月)から本授業を開始する。また、一橋大学やお茶の水女子大等と連携して各大学でのDS・AI教育にも協力するほか、企業内研修や社会人向けにリカレント(生涯)教育への展開も考えている。

参考:【東京工業大学】全大学院生を対象にデータサイエンス・AI教育を実施

大学ジャーナルオンライン編集部

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