新型コロナウイルスの感染拡大で京都市内の中小企業が受けた影響について、同志社大学社会学部の藤本昌代教授が緊急調査したところ、創業年の古い老舗企業ほど影響が大きく、売り上げを落としていることが明らかになった。
調査は4月27日から5月22日にかけ、電子メールやSNSを通じて行い、市内の中小企業、自営業者から81件の回答を得た。
それによると、市内の中小企業を1971年以降に創業、1921~1970年に創業(50年以上)、1920年以前に創業(100年以上)に分けて新型コロナによる売り上げの変化を聞いたところ、「大きく減少している」と答えた企業は1971年以降に創業で50.0%だったのに対し、1921~1970年に創業は66.7%、1920年以前に創業は73.1%に上った。
就業体制は1971年以降に創業の企業で46.2%が通常通りだったが、1921~1970年に創業は29.6%、1920年以前に創業は25.9%にとどまり、老舗ほど通常通りの就業ができなくなっていることが分かった。老舗が交代制勤務で苦境を乗り切ろうとしているのに対し、新しい企業ほど在宅勤務を取り入れていることも明らかになった。
さらに、老舗ほど個人の有給休暇取得や減給を要請していたが、新しい企業ではそうした傾向が見られなかった。新型コロナ感染拡大後の事業の状況で受注と資金の不足が深刻さを増していることは共通していた。