全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)では、2007年から毎年4、5月に新入生の保護者を対象とした「保護者に聞く新入生調査」を実施している。今回は、2020年に入学した新入生(学部生)の保護者20,347名の回答を得た。

 「保護者に聞く新入生調査」は毎年、受験から入学までにかかった費用をはじめ、受験から入学までに困ったこと、大学生活を送る上での不安といった保護者の意識とあわせ、大学生協の事業に対する評価も行う。

 調査によると、受験料は2018年、2019年と2年連続増加したが、2020年度は国公立受験料121,000円、私立受験料145,800円と減少した。一方、受験学部数は増加。5学部以上の受験は、国公立25.2%で2019年より5.1ポイント増、一般受験生40.2%も同じく6.9ポイント増となった。2021年度からの大学入学共通テストを前に、現役入学志向の高まりで受験学部数が増加する一方、併願出願等で費用を抑えていることがうかがえる。

 子どもの受験大学を選ぶ際に保護者が関心を持ったことは、「大学の所在地」54.9%、「設置者(国公立・私立)」47.6%の順に高く、「大学の所在地」は自宅生が63.1%(下宿生46.7%)、「設置者」は国公立が71.0%(私立18.7%)を占め、大学納付金や親元を離れた場合にかかる費用など、家計への影響が大きいことに関心が高かった。

 また、卒業後のキャリアを踏まえた大学選びにも関心が高く、全体では所在地や設置者の次に「大学や研究の内容」45.6%が続くものの、私立は「就職率などの就職実績」50.6%(全体39.3%)、医歯薬系の「取得できる資格」55.7%(全体29.1%)となっている。「大学のブランドやイメージ」も30.9%(前回調査18年+9.2ポイント)と関心の高まりがみられた。

 子どもが大学生活を始めるにあたって心配なことは、「新型コロナウイルスへの対応」63.5%を除くと「大学での授業や単位のこと」51.7%が最も高く、2019年から13.6ポイント増加した。「友達付き合いなど人間関係のこと」48.4%が続き、新型コロナウイルス感染症対応の影響による就学環境の変化を心配していることがうかがえる結果となった。

 今回調査した時期は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が2020年4月7日(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県以外の道府県については同月16日)に発出され、5月31日の解除予定日も都道府県によって短縮または延長があった。ほとんどの大学でキャンパスへの立ち入りが禁止され、入学式の中止や延期は94.9%に上った。開講後の授業は、主にオンライン授業となった。

参考:【全国大学生活協同組合連合会】2020年度保護者に聞く新入生調査の概要報告

大学ジャーナルオンライン編集部

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