研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる新卒採用サービス「LabBase(ラボベース)」を提供している株式会社POLは、2022年卒業予定の理系大学院生1104名を対象に就職活動に関するアンケート調査を実施した。

 調査によると、推薦制度について「利用するか迷い中」「利用した、利用するつもり」と回答した人の合計は、全体の67.1%。専攻別で見ると「機械」の学生が最も多く、次いで、「電気・電子」、「化学」と続いた。推薦利用意向の割合が低い「医学」、「生物・農」では、「推薦がない」という回答も多く、各専攻分野における推薦制度の拡充度合いの影響も大きいと考えられる。一方で「情報」を専攻する学生は「利用しない、利用しないつもり」という回答が28.%と他の専攻に比べて割合が高かった。これは、企業人気の高い専攻分野だからこそ多様で自由な選択肢の中から企業を選択する傾向にあるのではないかと考えられる。

 調査を実施した2020年11月時点で就職活動を終了したと回答した学生は0.5%。ほとんどの理系学生が現在も就職活動を続けている状況といえる。修士1年の6月以前に就職活動を開始した割合は、2021年卒が46.3%だったのに対し、2022年卒では60.6%に増加。この結果は、コロナ禍で先行きが見えない就職活動への不安が現れているのではないかと考えられる。11月時点で就職活動を開始していない割合も2021年卒と比べると少なくなっており、就職活動開始時期の早期化が進んでいることがわかる。また、11月の中旬時点で本選考に1社以上エントリーしている学生の割合は40.9%、内定保有率は2.8%だった。

 就職活動で最も嬉しいと感じることを聞くと、「研究者・技術者と面談して話を聞く」「研究者・技術者に相談できる」「実際の業務を体験できる」の順に多くの回答が集まった。この結果から、理系学生は就職活動の中で、現場の人・仕事のリアルを知ることを重要視していることがわかる。

 一方、就職活動で不安なこととしては、「面接が苦手であること」が最も多く、「学業と就職活動の両立」「自己分析ができていないこと」と続いた。このほか「志望する企業のスケジュールが不明であること」も挙げられ、コロナ禍による影響を受けていることがわかる。

参考:【PR TIMES】約7割が推薦制度の利用検討 コロナで就活早期化も22卒の理系院生1104名にアンケート

大学ジャーナルオンライン編集部

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