全国の大学、短期大学、高等専門学校、大学共同利用機関が2019年度に民間企業から受け入れた研究資金が前年度を10.0%上回る約1,185億円に上ることが、文部科学省のまとめで分かった。研究資金の受け入れ額全体も約3,481億円と前年度より0.5%伸びている。
調査は2020年3月末時点で全国の大学、短期大学、高等専門学校、大学共同利用機関合わせて1,068機関を対象に実施、回答を集計した。
それによると、民間企業からの研究資金受け入れ額のうち、共同研究による研究費は約796億円で、全体の67.2%を占め、前年度を16.4%上回った。研究実施件数は2万9,255件で、前年度より6.8%増加している。1件当たりの受入額は272万円だったが、1件当たり1,000万円以上の共同研究にかかわる受入額は約411億円と前年度に比べて約80億円増えた。
特許権など知的財産権による収入は約51.5億円。前年度に比べ、13.4%減った。このうち、特許権による収入は約36.6億円で、前年度より7.5億円少なくなっている。
職員が2つ以上の組織と雇用契約を結ぶクロスアポイントメント制度を導入した企業は、187機関に達し、前年度から50.8%増となった。研究者とともに研究活動の企画、マネジメントを進めるリサーチ・アドミニストレーターを配置したのは177機関。配置人数は1,507人に達した。
大学発ベンチャー企業の設立は204社で、前年度の222社から8.1%減った。戦略的産学連携経費を設けている機関は21あり、前年度より7機関増えている。