オレオレ詐欺など特殊詐欺の防止に家族や地域とのつながりが大切なことが、淑徳大学コミュニティ政策学部の学生が実施した千葉県民1万人以上を対象とした調査で分かった。地方自治体の広報誌や新聞などで情報に接している人ほど家族内で特殊詐欺について話し合う傾向も見られた。

 調査は千葉県内に住む20~69歳を対象に2020年11月、調査会社を通じてインターネット上で実施、1万1,326人から有効回答が寄せられた。千葉県内を千葉市、東葛、内房、外房の4地区に分けたうえで、人口比に合わせて調整して千葉県民の意向が正確に反映するようにした。

 それによると、自分が特殊詐欺に遭う可能性を同年代の同性と比べてみてもらったところ、「とても低い」「低い」と答えた人が全体の約70%に上った。空き巣やひったくりを「とても低い」「低い」と回答した人が約40%だったのに比べ、危機意識が低い結果となった。

 子どもや孫と偽って金銭を求めるオレオレ詐欺の手口を知っている人は約80%。SNSを通じた架空請求は約70%が知っていた。町内会の加入者と非加入者で分析すると、加入者の方が特殊詐欺の手口に詳しく、学生らは町内会を通じて知識が広がったとみている。

 家族で特殊詐欺について話し合ったかどうかについては、新聞などのメディアを通じて対策情報に触れる機会が多い人ほど家族で会話していることが分かった。学生たちは詐欺対策への活用を求め、千葉県に報告書を提出した。

参考:【淑徳大学】淑徳大学コミュニティ政策学部では、千葉県民1万人を対象に「特殊詐欺に対する人々の知識・意識・対策行動」について調査研究を行いました。(PDF)

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