2022年8月3日、幼稚園から大学までの私学団体で組織する全私学連合は、2023年度政府予算編成での私学関係予算の増額と税制改正を求める要望書を文部科学省に提出した。特に大学生1人当たりの公財政支出で国立大学と私立大学間の13倍もの格差を是正し、私立大学を基幹とした高等教育政策を打ち出すよう求めている。
日本私立大学連盟によると、日本私立大学連盟会長でもある全私学連合の田中愛治早稲田大学総長ら全私学連合の幹部が文科省を訪ね、義本博司事務次官に要望書を手渡したほか、森晃憲高等教育局私学部長、丸山洋司文部科学審議官と懇談し、私学関係予算の増額と税制改正を強く訴えた。
要望書はポストコロナ時代の新たな大学教育を実現し、国私間の不合理な公財政支出格差を是正するため、財政支援面で学生への経済支援充実、社会人が学び直しをするリカレント教育など特色ある教育研究に対する支援拡大、グローバル化と地方創生推進に対する支援充実、新型コロナウイルス対策での支援拡大などを求めている。
税制改正面では、教育資金贈与信託にかかわる贈与税の非課税措置拡充、社会人の学び直しに対する税制上の優遇措置創設、教育費の所得控除制度の創設、学校法人への寄付に対する税額控除率の引き上げ、学校法人の資産運用収益に対する非課税措置など優遇税制の維持・拡大、退職等年金給付の積立金に対する特別法人税の撤廃などを要望している。