政府は地方創生の基本方針を定めた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を改定し、地元の地方自治体や企業と連携する地方大学向けの交付金新設を盛り込んだ。地方大学の人材育成や産業振興を助成し、地元の若者にとって魅力となる地方大学づくりを促す。

 まち・ひと・しごと創生本部によると、新たな交付金は地方大学と自治体、企業の共同企業体を対象に、国の有識者会議が選定する。交付額は1件当たり年間最大10億円。交付期間は5年間で、2018年度は10件程度を想定している。
事業費に対する補助割合は50~75%。大学改革につながる研究や革新的な事業ほど補助率を上げる。政府は2018年度予算案に100億円を計上、2018年の通常国会に提出する。

 大学生の東京一極集中を緩和するため、東京23区内の大学の定員増を原則として認めない法案も通常国会に提出する方針。このほか、若者の地方移住を促す対策を抜本的に強化する方向も盛り込んだ。自治体が独自に運営している移住情報サイトの集約などを想定しており、2018年1月には地方生活の魅力発信に向けた有識者会議を設ける。

 まち・ひと・しごと創生総合戦略は政府が地方創生と東京一極集中の是正を目指して2014年末に策定した5カ年計画。戦略策定後も一極集中が是正される兆しがないことから、「未来を担う子供や若者が大幅に減る地域は消滅の危機に陥りかねない」と危機感を初めて明記した。

参考:【まち・ひと・しごと創生本部】第15回まち・ひと・しごと創生本部会合議事次第

大学ジャーナルオンライン編集部

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