株式会社ベネッセホールディングスとソフトバンク株式会社の合弁会社Classi(クラッシー)株式会社は、東京工業大学と協力し、自然言語処理を用いて自動で問題を作成する仕組みを実用化するための実証研究を2018年1月から開始する。
「Classi」は、学校の授業・生徒指導、生徒の学習において、先生・生徒・保護者がつながる学習支援クラウドサービス。全国約2,100以上の高校に導入され、80万人以上(2017年12月時点)が利用。1,000以上の単元と6段階の難易度から最適な学習をレコメンドする「アダプティブ・ラーニング学習動画」や、生徒個々の学力に応じた学習コンテンツとして2.5万本の「動画教材」、「大手出版社5万問の問題集」などを提供している。
「Classi」ではすでに約7万もの問題を学習者に提供しているが、今後、利用者が拡大し、さまざまな進度の生徒が学習を繰り返すことで、より多くの問題が必要になってくる事が予想される。その際、自動作問システムが実現すれば、さまざまな問題を早く大量に作成できるようになり、これまで以上に学力に応じて最適な問題を提供できるようになる。
そこで、東京工業大学 徳永健伸研究室と協力し、自動作問システムの構築と実用化を目指す実証研究を開始する。具体的には、英単語の意味を問う問題を自動作問し、Classiのプラットフォーム上で配信。その問題を生徒(高校1年生120名程度)が回答し、あらかじめテストで測られた生徒の学力と、問題の正解率の相関を評価する。なお、生徒に問題を出題するにあたり、事前に問題作成における専門家のチェックを行い、妥当な問題が作成されることを確認した後に実施する。
自動作問システムの流れは、以下のとおり。
①出題者はあらかじめ用意した辞書から対象語とその意味を指定。
②機械がインターネット上のテキストから対象語を指定した意味で利用しているテキストを検索し、そこから問題テキストを作成。
③①で使用した辞書を使って対象語の同義語を正解として使用。
④問題テキストや辞書から、対象語と異なる意味を持つ語を選択し、誤答選択肢を作成。
⑤ 問題の難易度は問題テキストの難易度、誤答と正解の意味の近さ、誤答自体の単語の難しさで調整する。
また、「Classi」は、このような学習面のサポートだけでなく、学校活動で重要となる、学校・学年・クラス・部活などコミュニケーションの基盤となる「校内グループ情報」や、学校内のさまざまな活動結果を蓄積できる「生徒カルテ」などにより、学校活動全体のICT化も支援している。