千葉大学は、有機化学分野の研究で世界的に権威があるウルフ賞を受賞した元千葉大学工学部助教授の藤田誠東京大学大学院工学系研究科教授に特別栄誉教授の称号を贈った。特別栄誉教授の称号が授与されたのは初めて。
千葉大学によると、授与式は千葉市稲毛区弥生町の西千葉キャンパスけやき会館で開かれ、特別栄誉教授の称号が手渡されたあと、藤田教授が「先輩からのメッセージ:研究者を目指そう!」と題して記念講演、親しみやすい語り口で困難をチャンスに変えた経験、研究の楽しさについて語った。
藤田教授は1982年、千葉大学大学院工学研究科を修了したあと、相模中央化学研究所研究員を経て、1988年から千葉大学工学部助手、助教授などを歴任した。現在は東京大学大学院工学系研究科で教授を務めている。
専門分野は有機化学。1994年に有機合成化学奨励賞を受賞したのを手始めに、日本化学会学術賞、第7回江崎玲於奈賞、トムソンロイター第3回リサーチフロントアワード、紫綬褒章などを受けている。
3月にはノーベル賞の前哨戦ともいわれるイスラエルのウルフ賞(化学部門)を受賞した。ウルフ賞の受賞は2001年の野依良治名古屋大学特別教授以来、日本人として2人目。日本が誇るノーベル賞候補の1人ともいわれている。