2024年3月15日、東京家政学院大学は記者会見を行い、2025年度から「学部改組(再編により「生活共創学部」を設置)」「入試改革」「共学化」を3本柱とする改革の実施を発表した。

 家政研究所からはじまった東京家政学院大学は2023年に創立100周年を迎えた。主領域である「家政学」は、生活の質の向上と人類の福祉に貢献する実践的総合科学であり、文理融合の先駆けともいえる学問領域だが、その意義や役割が伝えきれていない現状がある。「家政学」を真にジェンダーフリーの学問として発展させることは、「家政学」の基礎を築いた東京家政学院大学に課せられた使命だと捉え、志願者の減少に直面する家政系学部の抜本改革を行い、東京家政学院大学の持続的発展を目指し、2025(令和7)年度から「学部改組」「入試改革」「共学化」を3本柱とする改革を実施する。

 「学部改組」においては、2025年4月より町田キャンパスに「生活共創学部」を開設。衣・食・住、こどもなど広範な領域を扱う学際的かつ文理融合の先駆けともいえる「家政学」をベースに、周囲と協働して「共に創りあげる」力を養う。生活共創学科と、こども教育学科の2学科を設置し、生活共創学科には、生活イノベーション、住環境デザイン、食科学の3コースを用意する。生活共創学科は、3コースあるが、入試は学科単位で行い、出願時に希望コースを記入してもらうことを想定している。なお、学生が所属する教育組織と、教員が所属する教員組織を分け、教員は、学部学科とは別の「生活共創学系」に所属。

 「入試改革」においては、2025年度入試から全学部学科を対象に「アサーティブプログラム・アサーティブ入試」を実施する。アサーティブとは、「自分も相手も大切にした自己表現」を意味する心理学用語で、アサーティブプログラムは、高校生一人ひとりの学力の3要素の育成を促し、大学での学びを豊かにする力が身に付くよう育てて検証するプログラムのこと。アサーティブ入試は、アサーティブプログラムを前提とした多面的・総合的評価を行う総合型選抜の入試試験制度であり、専願制で実施予定。募集定員は未定。

 「男女共学化」においては、町田キャンパスは2025年度から、千代田三番町キャンパスでは2026年度から男女共学化とする。ハード・ソフトの整備に万全を期す観点から、段階的に行う。大学名の変更については今後の検討となる。なお、大学院は2007年4月より男女共学化している。

参考:【東京家政学院大学】【報告】3月15日(金)開催の記者会見について

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。