福島大学は、2025年度入試より、理工学群共生システム理工学類においてコースを再編する。また、総合型選抜を変更し「理系教育女性人材育成枠」と「一般枠」を設定する。

  現在の共生システム理工学類は9コースとなっているが、これを2025年度より4コース(情報理工学、メカトロニクス、分子デザイン科学、環境システム)に再編し、入学定員を160名から200名へ増員する。大学院については、2027年度より共生システム理工研究科共生システム理工学専攻(博士前期課程)の入学定員を20名増員する。
※設置計画は予定であり、コース名称及び入学定員を含む内容について、今後変更が生じる可能性がある。

 福島大学は令和5年度大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)において「課題即応型の実践力を有した高度情報専門人材」を育成する人材像に掲げており、震災・原発事故を経て特に複雑さを増す地域課題に接してきた同大学の特徴を活かして、「探究体験に裏打ちされた実践力」と「現実課題に対する視野」を備えた情報専門人材の育成を目指すため、情報理工学コースとメカトロニクスコースの収容定員を増強するとみられる。

 また、2025年度入試の総合型選抜も見直しを行い、「理系教育女性人材育成枠」8人「一般枠」24人、計32人を選抜する。志願する女子は一般枠、理系教育女性人材育成枠を併願でき、併願者が両枠に合格した場合,理系教育女性人材育成枠の合格者とする。第1次選抜では「理系教育女性人材育成枠」「一般枠」を合わせて70人程度を選抜し、合格者に対して第2次選抜を実施する(志願者が70人を超えない場合は第2次選抜のみ実施)。第2次選抜では科学的なトピックに関する30分程度の模擬授業を受け、授業後に模擬授業の内容に関する課題レポートの作成と面接を実施する。なお、合格者には、入学前教育として大学入学共通テスト「外国語」「数学」「理科」の受験と「大学入学共通テスト成績通知書」の提出を求める(成績は合否の判定には用いない)。
※詳細は7月公表予定の「令和7年度入学者選抜要項」と各学生募集要項で確認のこと

 福島大学は、理系分野の女性比率を高めるためには理系への女性進出が継続的・効果的に発揮されやすい中高の数学、理科の教員などに人材が輩出されること、民間企業等で活躍するロールモデルを増やすことが重要としている。そのため「理系教育女性人材育成枠」に応募する女子受験生には、高いコミュニケーション能力とリーダーシップを発揮できる人材を求める。また、入学後は様々な活動を経験し自身の実体験を踏まえて,科学の“おもしろさ”や“大切さ”を社会や子供たちに丁寧かつわかりやすく伝えることができる人材を育成する。

 なお、福島県では、会津大学も女子枠を検討している。会津大学は2024年4月1日から2030年3月31日までの第4期中期目標・中期計画において、学部入学定員数の50%にあたる120名の女性志願者を確保する等を目標とし、学部入学試験における女子枠設置の検討を中期計画期間中に行うとしている。

参考:【大学改革支援・学位授与機構】大学・高専機能強化支援事業 (高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)【支援2大学】 事業概要
【福島大学】令和7年度福島大学入学者選抜方法等の見直しについて(PDF)
【会津大学】第4期中期目標・中期計画(PDF)

 

福島大学

地域と共に21世紀的課題に立ち向かう大学

福島大学は、人文社会学群・理工学群・農学群の3学群5学類からなる総合大学。新しい教育理念「問題解決を基盤とした教育」を掲げ、解のない問いにチャレンジできる人材を養成しています。これまで培ってきた学類の特色に応じた人材育成、研究者の自由な発想で行われる基礎的・応[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。