関西外国語大学国際共生学部の学生らがまとめた報告書が国連人権理事会でブータンの人権状況を審査する資料に採用された。児童の人権状況を報告した内容で、欧米のNGO(非政府組織)や人権問題研究機関の報告書とともに、審査資料に引用されている。
関西外国語大学によると、報告書を作成したのは、国際共生学部の福田和生准教授と福田准教授が主宰するインフォーマルゼミの兼本千陽さん、モリタ・ケイレブ・マサシさん、狩野桜子さん、小宮路男さん。
福田准教授らはブータンの憲法や刑法を参考にして分析した児童の人権状況を7ページの報告書にまとめた。国連人権高等弁務官がまとめた審査資料では、教育を受ける権利や児童虐待など児童の人権をテーマにした計7カ所で関西外国語大学の報告書が引用されている。
国連人権理事会は2006年、従来の人権委員会に代わる組織として新設され、国連加盟193カ国の人権状況を5年の周期で審査するUniversal Periodic Review (UPR、普遍的定期審査)を実施している。対象国や国連高等弁務官、人権団体、NGO組織などの報告書が資料として活用されているが、今回の審査資料に日本から提出された報告書が引用されたのは、関西外国語大学だけだった。
福田准教授は「正式な国連の書類内で〝Kansai Gaidai University〟と明記され、関西外大及び外大生が国連人権理事会のUPR審査プロセスに関わることができた。現時点では世界レベルで見て、関西外国語大学の審査への貢献度が高いとはいえないが、今回の採用はさまざまな観点から大きな意味を持つのではないか」とコメントしている。
参考:【関西外国語大学】国際共生学部の5人がまとめた報告書の一部が、国連人権理事会で人権状況を審査する際の資料となるサマリーに採用されました