東京藝術大学は東京都台東区の上野キャンパスにある音楽ホール・東京藝術大学奏楽堂の大規模改修に向け、命名権売却先の募集を始めた。現在の財務状況では改修費に約10億円の不足が生じる見通しからで、命名権売却収入を改修費の一部に充てる。
東京藝術大学によると、命名権売却の契約期間は2025年7月1日から5年以上。命名権料は税別で年間6,000万円以上。奏楽堂の名前が含まれ、文化ゾーンの上野という地域にふさわしい愛称とすることを希望している。
売却された名称は奏楽堂の外壁部やコンサートスケジュールの冊子、各コンサートのチラシ、東京藝術大学や上野公園の案内看板に掲示される。募集期間は2025年3月末まで。問い合わせは東京藝術大学経営改革プロジェクト課で受け付けている。
東京藝術大学奏楽堂は、前身に当たる旧東京音楽学校奏楽堂が老朽化で台東区に譲渡され、上野公園内に移設されたこともあり、1998年に建設された。古典から現代の音楽に対応するため、稼働式天井で音響空間を変化させる機能を備え、教員や学生の研究発表、演奏会など大学の音楽ホールとして活用されてきた。
しかし、老朽化で舞台機構や可変天井、音響設備、照明、客席など全面的な改修が必要になっている。東京藝術大学は奏楽堂が30周年を迎える2028年度から複数年度にわたる改修工事を予定しているが、現在の財務状況では改修を終えるのに約10億円が不足すると見積もられている。
なお「奏楽堂大規模改修プロジェクト」として寄附も募集しており、50万円以上(先着1,000名)で①座席ネームプレートの掲示と2つの特別コンサート招待、100万円以上の寄附者にはこれに加えて奏楽堂内に新設する特設板に名前を刻印し、毎年1回、サポーターズパーティに招待する。