東京都品川区は2025年度、所得制限のない給付型奨学金を区内在住の理系大学生向けに創設することを決めた。2月19日開会の区議会定例会に提出する2025年度一般会計当初予算案に、100人分の授業料相当額と関連費用5,677万円を計上する方針を明らかにした。

 品川区によると、給付額は国立大学授業料の標準額に当たる年間54万円。著しく成績が落ちるなどして不適格と判断するケースを除き、卒業までの4年間(医学部や獣医学部などは6年間)給付を続ける。

 対象者は品川区在住者で医療系(医学・歯学・薬学・看護学)や理工農系(理学・工学・農学)に2026年春以降に進学する人で、進学後も品川区に居住するのが条件となる。既に進学している学生は対象外。家庭の所得は考慮せず、学業成績と面接で審査する。

 返済義務のない給付型奨学金は国や全国の地方自治体で徐々に広がっているが、所得制限のないケースは全国で初めてという。一般に文系学部より理系学部のほうが高い授業料となっているのを受け、導入を決めた。

参考:【東京都品川区】「令和7年度品川区当初予算案」プレス発表

大学ジャーナルオンライン編集部

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