教育職員免許法および同法施行規則改正の2019年4月1日の施行に伴い、全国1,283校の大学等で、新たに履修内容を充実した教職課程が開始された。
これまで、教員養成に関する課題として「必要単位数が法律に規定され、新たな教育課題が生じても速やかに単位数を変更するのは難しい」「学校現場の状況の変化や教育を巡る環境の変化に対応した教職課程になっていない」「大学教員の研究的関心に偏った授業の傾向が強く、教員として必要な学修が行われていない」といった問題があった。
そこで、文部科学省では、2016年11月の教育職員免許法の改正により、教科の専門的内容と指導法を一体的に学べるよう、教職課程の科目区分を大括り化し、2017年11月の教育職員免許法施行規則の改正により、学校現場で必要とされる知識や技能を養成課程で獲得できるよう教職課程の内容を充実させるなど、教職課程で履修すべき事項を約20年ぶりに全面的に見直した。
今回の改正で教職課程に新たに加えられた内容は、小学校の外国語(英語)教育、ICTを用いた指導法、特別支援教育の充実、アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善、学校と地域との連携、道徳教育の充実など。また、教職課程のコアカリキュラムでは、全国の大学の教職課程で共通的に修得すべき資質能力を明確化させ、英語については特に指導法、専門科目についても作成することとした。
文部科学省は、今回の改正法令およびコアカリキュラムを反映した教員養成の体制が確保されていることを教職課程を置く全ての大学について審査。2019年4月1日から、認定を受けた全国1,283校の大学・大学院・短期大学等の合計1万9,419課程で履修内容を充実させた“新・教職課程”が始まった。