ノーベル賞の登竜門とされるクラリベイト・アナリティクスの引用栄誉賞で、2020年の受賞者24人が発表され、日本人は医学・生理学部門でがん研究会がんプレシジョン医療研究センターの中村祐輔所長(67)、化学部門で東京大学大学院工学系研究科の藤田誠卓越教授(62)の2人が選ばれた。
クラリベイト・アナリティクスによると、引用栄誉賞は発表された論文が2,000回以上引用され、科学分野に極めて大きな貢献を果たした科学者を対象に、ノーベル賞と同じ医学・生理学、物理学、化学、経済学の各分野で影響力が大きい科学者を選んでいる。
中村所長は東京大学と米シカゴ大学の名誉教授で、遺伝子の変異を分析することによってそれぞれのがん患者に合った個別治療の発展に貢献したことが高く評価された。藤田教授は自然科学研究機構分子化学研究所でも卓越教授を務め、分子が自発的に結びつく仕組みなどについての研究で世界的に注目された。
引用栄誉賞は2002年から世界で336人が受賞し、このうち54人がノーベル賞に輝いている。受賞確率はざっと6分の1で、ノーベル賞の登竜門と呼ばれている。2020年のノーベル賞は10月5日から発表される。