東洋大学が主催する「現代学生百人一首」は、1987年に創立10周年を迎えた際、「百」にちなんだ記念行事のひとつとして始められた。作品募集のテーマは「現代学生のものの見方・生活感覚」。今では、全国で最も累計応募数の多い短歌コンクールであり、今回までの累計応募作品数は157万3080首を数える。
第34回目となる今回は6万5499首の作品が寄せられ、厳正に審査された入選作品100首と小学生の部入選作品10首が発表された。また、学校全体で取組み、多数の優れた作品を応募した学校に贈呈する「学校特別賞」も5校選出された。
2020年度は、コロナ禍での新しい生活の中で、自分自身を見つめなおしたり、思わぬ発見があったりと、学生の「いま」をリアルに切り取った作品が多数寄せられた。また受験や就職を控えた学年では、進路や未来への希望や不安を詠んだ作品もみられた。さらに今回は、実体験が得にくい状況下で、インターネットを通じたコミュニケーションを取らざるを得なかった学生たちの経験や思いを詠んだ作品も多数寄せられ、新しい時代に生きていく若者たちの姿が垣間見られた。