青山学院大学理工学部の石井慶子助教、山野美容芸術短期大学の大西典子教授、大野淑子教授、及川麻衣子准教授らの研究グループは、接客や発話時の呼気流動の様子を可視化するのに成功した。米国物理学協会の学術誌「Physics of Fluids」に掲載された論文は、新型コロナウイルス感染予防に大きな期待が持てると高く評価され、注目論文に選ばれた。

 青山学院大学によると、この研究は青山学院大学ジェロントロジー研究所のプロジェクトとして山野美容芸術短期大学の研究者と共同研究したもので、新型コロナ感染予防のために接客や発話をした際の呼気の流動状況を可視化した。

 その結果、呼気の流動が人体の表面温度の影響を受け、その人物の姿勢やマスク、フェイスシールドの有無によって変化する様子を熱流体力学の観点から理解することに成功した。石井助教ら研究グループは今回の論文で対面接客時のエアロゾル感染予防の知見を提供し、これまで報告例がなかった呼気流動の物理が明らかになったとしている。

 石井助教ら研究グループの論文は米国物理学協会出版局のサイト上で解説記事とともに、プレスリリースされ、世界中に配信されている。

論文情報:【Physics of Fluids】Relationship between human exhalation diffusion and posture in face-to-face scenario with utterance

大学ジャーナルオンライン編集部

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