2029年4月、鎌倉女子大学(神奈川県鎌倉市)は大学院・学部・短期大学部を男女共学化し、大学名も「鎌倉大学」(仮称)へと改称する。なお、2029年3月までは現在の女子大学としての教育環境を維持する。

 学校法人 鎌倉女子大学による中等部・高等部は、2026年度に男女共学化され、「鎌倉国際文理中学・高等学校」へと校名を変更する。2029年4月には、幼稚部・初等部・中等部・高等部のすべての学年で男女共学化が完了する見込みであり、これにより就学を希望する男子卒業生にも大学部の門戸が開かれることとなる。

 鎌倉女子大学は1943年の開学以来、女子に高等教育の機会を提供し、社会で活躍する場を広げることを使命として、職業やライフキャリアに資する実学教育や、男女別学の有効性を重視した教育・研究を展開してきた。

 しかし、近年は著しい少子化が進行し、大学進学者数、特に女子の進学者数の大幅な減少が予想されている。このような状況下でも、鎌倉女子大学の2025年度の収容定員充足率は108.1%と堅調ではあるが、入試の質の維持、学友会(クラブ活動)などの充実、そして教育研究における量的な条件も無視できない課題となっている。

 共学化の決定にあたっては、「入学手続き者アンケート」(短期大学部を含む)で「志望動機が女子大学である」と回答した割合が、直近4年間の平均で3.8%と低かったことや、高大連携による「学力の3要素」を育む一貫教育の意義を継続する必要性を重視した。

 なお、共学の対象は2029年度以降の新入生となり、2028年度以前に卒業予定の在学生については、従来通り「鎌倉女子大学」の学生として卒業証書・成績証明書も現大学名で発行される。2029年度以降は、新旧名称が併記された証明書等が発行される予定である。

<女子大学の共学化例>
●2026年4月~
女子栄養大学(埼玉県) → 日本栄養大学
岡崎女子大学(愛知県) → 岡崎大学
京都光華女子大学(京都府) → 京都光華大学

●2027年4月~
仙台白百合女子大学(宮城県) → 未発表
武庫川女子大学(兵庫県) → 武庫川大学

●2029年4月~
鎌倉女子大学(神奈川県) → 鎌倉大学

参考:【鎌倉女子大学】2029年4月、「鎌倉女子大学」は、「鎌倉大学」(仮称)と名称変更し、男女共学大学に移行します。

鎌倉女子大学

女性の科学的な教養と豊かな感性を育成。伝統が育む実学教育を展開

1943年に創立した鎌倉女子大学は、「女性の科学的教養の向上と優雅な性情の涵養」を教育目標に掲げ、長い教育研究の実績、緑豊かなキャンパスで、女性の科学的な教養と豊かな感性を育んでいます。質の高い大学教育をめざし、一人ひとりが感謝と奉仕の心を備えた善き社会人・職[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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