2025年8月18日から22日の5日間、成蹊大学(東京都武蔵野市)は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)Women’s Technology Program(MIT-WTP)と共同で、日本の女子高校生1、2年生を対象とした理工系教育プログラム「Global Women’s Technology Program(WTP Global)」を成蹊大学11号館で開催する。理工系進路を選択する女性が国内で依然として少ないという社会課題の解決を目指し、日米両大学が協力して次世代の女性技術者を育てる先進的な取組みとなる。
「WTP Global」は、MIT-WTPが20年以上米国で実施してきた先進的な動機付け教育手法をもとに、成蹊大学とMIT-WTPが連携して日本向けに内容を更新し、カリキュラムを構築したもの。実践的な課題解決体験を通じ、理工系分野の奥深さと楽しさを実感する内容となっている。
具体的には、参加者30名が毎晩20〜40分程度の予習動画を視聴した上で、翌日の授業に臨む。授業はアクティブラーニング形式で進行し、要点解説やグループディスカッション、理論と実社会を結びつける実習などを通じて協働的な学びを経験する。プログラム後半では、発泡スチロールを用いたミニチュアクレーンの設計・製作に取り組み、力学や材料の理論、創造的な設計思考、製作技術、チームワークなど、週の前半に培った知識と技術を総合的に生かし、最終日には製作成果を競い合う。
また、日々の学習や製作活動では成蹊大学理工学部の女子学生スタッフが中心的な指導役を担い、年齢が近い先輩との交流を通じてロールモデルとの出会いを実現する。
さらに期間中、企業の研究開発部門などで活躍する女性技術者を招いたランチトークも実施する。講師を務めるのは三菱電機株式会社の川西智美氏、中外製薬株式会社の大内香氏、株式会社東芝の齋藤玲子氏、株式会社NTTデータの豊田麻子氏、日産自動車株式会社の西島麗氏。実際に理工系で働く先輩たちの経験やキャリア観に触れることで、自身の進路設計や将来像について具体的なイメージを持つ機会を作る。
成蹊大学とMIT-WTPは協働して理工系進路を志す女子高校生に多様な体験と学びの場を提供することで、女性技術者の裾野拡大と理工系分野での活躍を後押しする。