18歳人口の減少や人工知能(AI)の進歩など社会環境が激変する2040年ごろを見据えた高等教育のあり方を検討する中央教育審議会ワーキンググループの議論が始まった。今後1年以上かけて将来像を検討し、答申する。
文部科学省によると、ワーキンググループは中教審大学分科会委員の日比谷潤子国際基督教大学学長と、安部恵美子長崎短期大学学長、川嶋太津夫大阪大学高等教育・入試研究開発センター長ら15人の臨時委員で構成される。
議論されるのは、3月に松野博一文科相(当時)から諮問された高等教育の将来構想。2040年ごろの社会は、2016年で約120万にいる18歳人口が約80万人まで減ると見込まれているほか、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)、AIの進化など大きな変化が予想されている。
大学など高等教育機関での人材育成や研究開発の重要性がこれまで以上に増すとみられる一方、教育の質向上、社会人学生の受け入れ推進など多くの課題が山積している。
ワーキンググループは東京・霞が関の文科省で第1回会合を開いた。今後教育方法の改善策や評価の厳格化、大学設置基準、国公私立大学の枠組みを超えた統合、連携など幅広いテーマについて意見交換を重ねる。