2022年春の卒業・修了予定の大学生と大学院生が就職活動で採用選考に参加する企業数を絞り込む傾向にあることが、就職情報サービスの学情の調査で分かった。コロナ禍で売り手市場に変化が見られることから、選考参加社数が増えるとみられていたが、学生たちはプレエントリー後に絞り込みをしている。
調査はウエブサイト「あさがくナビ2022」を訪れた学生を対象に6月4日から18日にウエブ上で実施、981人から有効回答を得た。
それによると、企業の新卒採用活動にプレエントリーした数は21～30社が19.9％で最も多かった。半数以上の学生が21社以上にプレエントリーし、内々定をもらっている学生だと62.9％に達した。
ところが、選考参加社数は10社以下の学生が58.1％を占めた。このうち、5社以下の学生も36.1％いた。リーマンショック時は就職難を見越し、100社以上にプレエントリーして30社以上に選考参加する学生が珍しくなかったが、2022年春の卒業・修了予定の学生は選考参加の段階で企業の絞り込みに力を入れている。
その代わり、選考に参加する企業の理解や研究に丁寧に取り組み、特に入社を希望する企業に対しては57.7％の学生が4回以上の接点を持っている。入社したあとを見据え、1社ずつ丹念な就職活動に臨んでいる格好だ。
