京都大学は国内外のフィールドワークを体感できる映像教材を開発、ホームページで公表した。コロナ禍でフィールドワーク実習やプログラムの見直しを余儀なくされたのを受けた措置で、フィールドワーク未経験の学生らに学習意欲を高めてもらう狙いがある。
京都大学によると、京都市北区の試験林・上賀茂試験地や京都府宇治市の天ケ瀬ダムなど森林、海、大規模インフラ、京都大学の研究施設などをドローンによる空撮を交えながら映像化し、教員が解説を加えている。コロナ禍以前に現地でフィールドワークをした上級生が、下級生向けに調査記録をデジタル化して映像を編集した例もある。
上賀茂試験地の森林映像を見た学生からは「今後は実際に現場へ行ってみたいと思った」とする感想が寄せられているという。
これらの映像教材は学生や教職員の安全を確保しながら、臨場感を持った教育・研究現場を再現できるとして、国土交通省や民間企業から注目が集まっている。今後は海外協定締結校との短期プログラムや日本への留学フェアなどでも活用する。
京都大学は1960年代から東南アジアのアセアン加盟国を中心にして海外フィールドワークを積極的に進めてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、海外渡航が制限され、フィールドワークプログラムを見直している。