国立大学協会は2020年度から実施予定の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に合わせ、国立大学2次試験の受験生全員に長文式の記述式問題を課す考えを明らかにした。具体的な内容は各大学の判断に委ねるが、論理的思考力や判断力などを評価する高度な出題を目指す。

 国大協によると、2次試験の長文式問題は各大学で作るやり方のほか、複数の大学で共通問題を作成する方法や大学入試センターが作った問題を2次試験で課すなども検討する。これまで国語や小論文、総合問題で記述式問題を課していたのは、国立大学募集定員の約4割にとどまっている。このため、文系、理系を問わず、思考力や判断力、表現力を評価できる仕組みの構築を目指す。
文部科学省は当初、長文式問題の新テスト実施を2024年度からとしていたが、「短文式だけで受験生の思考力を測れない」などの声を受け、短文式と同時の2020年度から実施すると方針を転回。80字以内の短文式問題と、80字以上でより高度な長文式問題を同時に出題する案を提示した。

 これに対し、国大協は記述式問題の出題をすべての国公私立大が利用可能な設計にする必要があるとしたうえで、80字以内の短文式問題は全員が受けるべきだが、80字以上の長文式問題は混乱を招きかねないとして1次試験に使うべきではないとの見解も示している。

大学ジャーナルオンライン編集部

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