金沢工業大学電子情報通信工学科 伊東健治教授は、ミクサというマイクロ波回路で顕著な業績を挙げたことが評価され、IEEE(米国電気電子学会)から最高級グレード「フェロー」を授与されることとなった。

 IEEE(米国電気電子学会)とはアメリカに本部をもち、世界160ヶ国に40万人を超える会員を有する世界最大規模の学会。航空宇宙システム、コンピュータ、電気通信から医用生体工学、電力、家庭用電化製品にいたるまで、幅広い分野で先端技術をリードし、LANや無線LAN、Ethernetなどの標準規格を策定する団体としても知られている。

 そのIEEEから伊東教授に授与されることになった「フェロー」は、IEEEの正会員の中でも、当該の分野で他の誰もがなしえなかった、あるいは考え付かなかった、まったく新しい理論・システム・環境を考案し、その分野に革新的な変化をもたらした者に対して顕彰される称号。毎年、全正会員の0.1%を上限とし、限られた人しか選ばれない最上級のグレードといえる。

 今回「フェロー」を授与するにあたり伊東教授が評価されたのは、電波の世界(高周波)と情報の世界(低周波)の間をつなぐミクサという電子回路に関する研究で、特に第三世代携帯電話に提案回路を搭載し、世界ではじめてダイレクトコンバージョン受信機という電波から直接情報を取り出すアーキテクチャを実用化した点が評価された。

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