新型コロナウイルスの感染拡大で思春期の子どもに心理的な影響が出ているが、東北大学病院肢体不自由児リハビリテーション学分野の奥山純子助教、宮城県立精神医療センターの舩越俊一副院長、東北大学災害科学国際研究所の門廻充侍助教、指定国立大学災害科学世界トップレベル研究拠点の研究グループは、東日本大震災後に高校生に対してスクールカウンセラーや高校教諭らが心理的支援をした事例を挙げ、現在に応用できる可能性を示唆した。
東北大学によると、東日本大震災後1年目、2年目、3年目に宮城県南部の高校生に対し、心理調査が行われ、抑うつ症状や不安症状、心的外傷後ストレス反応があるかどうかを調べた。その結果、約6割の高校生が一定以上の問題を抱える心理的ハイリスク者であることが分かった。
心理的ハイリスク者に対しては、宮城県立精神医療センターの児童思春期精神科医から研修を受けたスクールカウンセラーや高校教諭がカウンセリングを行ったところ、専門や教員年数などに関係なく、効果的な心理的支援を行うことができた。
研究グループは、新型コロナウイルスの影響でストレスを受けている現在の生徒らの支援についても、東日本大震災で効果を上げた手法が応用できるとみている。