文部科学省が2025年度大学入学共通テストの「情報」について試験時間を60分とし、新学習指導要領未履修者に対する経過措置を設けたことに対し、情報処理分野の研究者らで構成する情報処理学会は各大学が大学入学共通テストの「情報」を入学者選抜に活用する環境が整ったとして歓迎の意向を表明した。

 情報処理学会によると、意向表明は徳田英幸会長名で学会のホームページ上で発表した。文科省が9月末に全国の都道府県知事、都道府県教育委員会、国公私立大学学長、大学入試センター理事長らに出した通知で、試験時間を出題範囲や他教科の試験時間などを考慮して60分と定め、現行の教育課程履修者に対して選択必履修科目の「社会と情報」、「情報の科学」に対応する経過措置を講じるとしたことに歓迎の意向を示している。
同時に、多くの大学の個別入試で「情報」が採用されることを期待するとした。

 「情報」の導入は2022年度から改訂される学習指導要領に基づく措置で、現在の学習指導要領で「社会と情報」、「情報の科学」に分けられている内容が、新学習指導要領で共通必履修科目の「情報Ⅰ」に統一される。

 浪人生ら現行の教育課程履修者に対しては、別の問題を経過措置として出題する。「情報Ⅰ」の中で選択解答できる問題を出すか、現行の学習指導要領の内容を出題するかは、大学入試センターで検討する。

参考:【情報処理学会】「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告(補遺)」に関する意見

大学ジャーナルオンライン編集部

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