文部科学省が進める学校法人ガバナンス改革会議で議論されている学外者だけで構成する評議員会への権限集中について、日本私立大学連盟は法人をめぐる新たな主導権争いを誘発しかねず、私立大学の健全な経営と教育研究の発展を阻害しかねないとして、反対意見を文科省に提出した。
私大連によると、学校法人ガバナンス改革会議では、学外者だけで構成する評議員会への権限集中が議論されている。その中で、評議員会が学校法人の重要事項を議決し、理事や監事を選解任できるとする私立学校法の見直し案が浮上している。これについて、私大連は私立大学の健全な経営を瓦解させる重大な問題を持つと主張している。
このため、私大連として「評議員会は学外者を一定割合以上確保したうえで、教職員や設立関係者らの構成で組織し、私立大学の公共性や健全な発展に資する仕組みとする。構成のバランスは学校法人の特徴や規模などで一律に規定しない」との提案を発表した。
さらに、評議員会の議決を要する事項は、法人としての組織運営の基本的なあり方や業務の基本方針に絞るかも含め、法律で一律に規定せず、学校法人の自主性で決定すべきだとしている。
理事の解任手続きについては、監事と評議員会の連携で進め、監事の意見に基づいて評議員会と異なる第三者組織を活用する仕組みを作ることが適切と訴えている。
文科省の学校法人ガバナンス改革会議は12人の学識経験者を委員にして学校法人制度の見直しについて7月から議論を進めている。