全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)では、2007年から毎年4月~5月に新入生の保護者を対象とした「保護者に聞く新入生調査」を実施している。2021年度は126大学生協から1万8907名の回答が寄せられ、11月10日に結果の概要を発表した。
今回調査を行った2021年4月~5月は、新型コロナウイルス感染症の拡大から1年が過ぎ、東京都、京都府、大阪府、兵庫県、愛知県、福岡県に再び緊急事態宣言が発出された時期にあたる。新年度から対面授業を拡大すべく準備していた多くの大学が対面授業の縮小を余儀なくされ、オンライン授業が行われた。
調査によると、受験から入学までの費用は、国公立が183万4300円(20年より6万2800円増)、私立が202万0,700円(20年より13万3200円増)となった。入学大学の設置者、専攻、住まいなど進路によって細かくみると、国公立・自宅・文科系が140万3500円と最も低く、私立・下宿・医歯薬系の315万7300円が最も高かった。
受験学部数は3.4学部(20年3.6学部)と減少し、中でも5学部以上の受験は、国公立入学者で減少が大きく、国公立20.9%(20年-4.3ポイント)、私立29.5%(-0.9ポイント)だった。入試形態別では、推薦受験生3.7%(-0.3ポイント)、一般受験生35.5%(-4.7ポイント)と一般受験生の減少が大きかった。大学入学共通テスト開始やコロナ禍の移動制限による影響が要因と考えられる。
「出願するためにかかった費用」の多くを占める「受験料」12万2000円は、前年に引き続き減少した(20年13万1800円・19年14万3300円)。国公立11万100円(20年より1万900円減)、私立13万9500円(6300円減)と国公立の減少が大きい。専攻別では文科系と理工系で減少し、医歯薬系は増加した。
受験から入学までの費用面で予定と違って困ったことは「教科書や教材、パソコンの費用が高かった」が36.2%と高く、「オンライン授業のために購入するものが多かった」も11.4%となっている。「教科書・教材購入費用」21万4900円は2020年より1万1100円増加した。
受験から入学までの保護者の意識について、大学生活を始めるにあたって心配なことは「授業形態(対面・オンライン)のこと」が57.9%で最も高く、「新型コロナウイルスへの対応」、「友達付き合いなど人間関係のこと」も半数を超えた。特に「友達付き合い…」はコロナ禍以前の19年に比べ増加が大きかった。一方で「就職や将来のこと」は減少した。
また、入学式は83.9%が開催された(20年3.3%)と回答。入学式への新入生本人の出席は76.9%と前年(2.5%)より大幅に増加したが、19年(97.7%)までは回復していない。母親など同行者の参加は全体の10.5%(参加した新入生を100として13.7%)にとどまった。