東北大学東北アジア研究センターは、江戸時代に今の宮城県加美町に領地を与えられていた仙台藩士・北家の古文書を調査し、ホームページ上に公開した。北家は仙台藩の若年寄などを務めた有力家臣で、古文書から藩の実務を担当した藩士の実像がうかがえる。

 東北大学によると、東北大学東北アジア研究センターは加美町教育委員会が所蔵する北家の古文書を2020年度から調査してきたが、野本禎司助教、荒武賢一朗教授、鈴木淳世学術研究員らによって全482点(画像3,867コマ)の撮影と目録作成が完了し、目録をホームページ上に公開した。撮影画像も50点程度を公開する予定。

 北家の古文書には、1694年に北家の領地が加増された際、仙台藩が出した申渡書、仙台藩主伊達家の親類に当たる播磨国(今の兵庫県西部)赤穂藩主の池田政綱から仙台藩関係者に宛てられた書状など加美町の領地や藩の役職に関する文書に加え、武芸習得の証である免状、学問関係の書籍などが入っている。

 文書の全容は今回の調査で明らかになったが、東北大学東北アジア研究センターは目録や画像をホームページ上に公開し、誰でも利用できる状態にすることでさらなる研究の推進を期待している。

参考:【東北大学東北アジア研究センター】仙台藩士の古文書調査成果を公開 加美町・北家文書 江戸時代を解き明かす手がかりに(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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