神戸大学の兵頭龍樹さん(大学院生)と大槻圭史教授は土星のF環とその羊飼衛星が土星の衛星形成過程で自然な副産物として形成されることを明らかにしました。土星といえば複数の環や衛星を持つことで知られています。環は12本が観測されており、主要なものは内側からD環、C環、B環、A環と名付けられています。F環はA環の外側に存在し、幅が狭いことや数時間単位でその特徴が変化していくこと、環の内外に2つの羊飼衛星プロメテウスとパンドラを持つなどの奇妙な点があります。羊飼衛星がF環の形成に関係していると予測されていましたが、その詳細まではよく分かっていませんでした。
土星の環はガリレオ・ガリレイが1610年に自作の望遠鏡で初めて観測したことが知られていますが、その探究は400年以上たつ今でも続けられています。1970年代以降に探査機を近くまで飛ばすことができるようになったおかげで初めて分かったことが山ほどありますが、今後も技術の進歩がまた多くの謎を明らかにしてくれることでしょう。