大学生ら子供のいる世帯の約2割で可処分所得の40%以上を教育費に回していることが、日本生活協同組合連合会の組合員調査で分かった。大学の授業料など教育費の負担が家計に重くのしかかっている実態があらためて浮き彫りになった。
日本生活協同組合連合会は2016年の1年間、毎月家計簿を提出した組合員1,499世帯の家計状況をまとめた。組合員の平均年齢は55.3歳、平均家族数は3.4人。
それによると、平均月間収入は給与所得世帯で前年比0.1%増の71万7,540円、年金世帯で1.7%増の34万1,436円。2011年から一貫して増加傾向が続いている。給与所得世帯では妻の就労収入が前年から3,396円増えて実収入に占める割合が16.0%まで上昇した。
消費支出は全世帯で1.8%の減少。特に年金世帯の月平均額は26万719円と、前年を6.2%下回り、過去10年で最少となった。非消費支出では税金と社会保険料の合計額が2007年を100とすると120.8まで上がり、給与所得世帯の収入増を大きく上回って家計を圧迫している。
調査した組合員のうち、大学生らの子どもがいる272世帯を見ると、実収入から税金と社会保険料の合計額を引いた可処分所得のうち、40%以上を教育費に支出しているケースが全体の21.0%に上った。年収の低い世帯でも、多額の教育費を支出しているところが多く、大学などの教育費が家計の大きな負担になっている。