埼玉工業大学と深谷観光バス株式会社は、NHK大河ドラマ「青天を衝け」に合わせ、2021年2月16日(火)~2022年1月10日(月)の期間、渋沢栄一翁ゆかりの地を訪問する見学者の足として自動運転走行した「渋沢栄一 論語の里 循環バス」の運行を終了した。98日間の運行距離は合計約1万km(10554.5km)に達した。
運行開始時は埼玉県内初の業務用車両として緑ナンバーを取得した埼玉工業大学の自動運転マイクロバス(リエッセⅡ)が走行。その後2021年4月30日からは、埼玉工業大学が新たに開発した大型の自動運転バスが導入された。当初は、全長28kmのコース内の約7kmの区間限定で自動運転を実施したが、期間中も開発を継続し、順次、自動運転の走行区間を拡大した。
2021年11月には、一部区間を除く全線26㎞が自動運転可能になり、営業運行する自動運転バスとして国内トップクラスの走行距離を実現した。両者は産学官連携で、自動運転バスを論語の里を巡る観光客の足として活用しながら、地域の交通事情に対応した課題に対して、自動運転バスの開発を継続しながら、営業運行による自動運転を展開した。
埼玉工業大学の内山俊一学長は、「本学は先端技術開発で社会貢献に資することを目指してきましたが、この度、深谷観光バス株式会社と共同で行ってきた『論語の里循環バス』において、1年弱の期間に約1万キロメートルの自動運転による営業運行を成功裏に終了できたことは望外の成果であると認識しています。」とコメントした。
埼玉工業大学の自動運転バスは、AI技術を積極的に採用し、全国各地の実証実験に多数参画してきた経験とノウハウを活かして、公道を法定速度で一般車両と共に走行できるのが特長。システムによる自動運転とドライバーによる運転を即時にスムーズに切り替えて、交通の状況に応じて安全に走行する。