全国の大学で実施校が増えてきたインターンシップについて、文部科学省は調査研究協力者会議(座長:荻上紘一元東京都立大学総長)での議論をまとめ、原則として5日以上の実習期間を設けるとともに、大学側の関与を強め、正規の教育課程に発展させる方向を示した。

 文科省によると、協力者会議ではインターンシップの改革方向として就業体験を伴うことと大学の関与を強めることを求める声が強かった。単位認定、事前事後の指導期間設定、大学と企業の共同実施などを求めている。
就業体験を伴わない短期プログラムは「セミナー」など実態に合った別の名称を使用、インターンシップと一線を画すべきだとしたほか、地域内でのインターンシップ推進協議会の設立、届け出制度導入による優良なインターンシップの普及などを挙げる声もあった。

 2014年度現在で単位認定するインターンシップを実施している全国の大学は、全体の72.9%に当たる566校。1997年度に比べ、5倍以上に増えている。大学の増加に伴い、参加学生も伸びているが、参加者は全学生の2.6%にとどまっている。
大半の学生は企業や就職支援サイトが募集するインターンシップに個人で応募している。これらは期間が5日未満で、就業体験を伴わず、事実上企業説明の場所になっている。
欧米では1カ月以上の長期にわたるインターンシップが主流で、参加学生数も日本より多い。単位認定するインターンシップへの参加率が極端に低い日本は世界でも特異な例だという。

 文科省は2016年から協力者会議を開催、インターンシップのあり方や具体的な改革の方向性について意見を交換してきた。

参考:【文部科学省】インターンシップの更なる充実に向けて議論の取りまとめ

大学ジャーナルオンライン編集部

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