福井県は福井県立大学に全国初となる恐竜学部(仮称)を2025年4月に開設する方針を固め、2022年度一般会計当初予算案に学部棟の整備費の一部に当たる4,400万円を計上、2月定例県議会で可決された。福井県は恐竜の化石が相次いで発掘されているだけに、新学部の開設を学術面だけでなく、地域振興にも活用したい考え。
福井県によると、新学部は福井県勝山市村岡町の福井県立恐竜博物館隣接地に置き、恐竜学のほか、地質・古気候学を学ぶ場とする計画。恐竜博物館や勝山市と連携し、学術研究を進めるとともに、地域振興に役立てることも想定されている。当初予算の4,400万円は学部棟の基本設計費などに充てる。杉本達治知事は予算案発表の記者会見で「高校の授業との連携などさまざまな活用法を考えたい」と述べた。
福井県は勝山市北谷地区でイグアノドン類や獣脚類など多くの恐竜化石が発掘されている。その規模は日本最大で、恐竜博物館には44体の恐竜骨格と1,000を超す標本が展示され、福井市のJR福井駅西口に恐竜広場が整備され、実物大のモニュメント3体が設置されている。福井県は「恐竜王国福井」を観光の目玉の1つに位置づけ、PRに力を入れている。