近年、急増する加熱式たばこによる受動喫煙が急増し、一般市民の約10%が連日曝露されていることが、東北大学大学院歯学研究科の玉田雄大特別研究学生、竹内研時准教授らの追跡調査で明らかになった。加熱式たばこの受動喫煙の状況を調べたのは世界初。
東北大学によると、竹内准教授らの研究チームは20~69歳の男女約5,000人を2017~2020年にかけて追跡調査し、加熱式たばこの受動喫煙状況と教育歴による曝露リスクの違いを調べた。
その結果、加熱式たばこの受動喫煙に連日さらされている人は2017年に4.5%だったが、加熱式たばこの急速な普及に伴って2018年に8.0%、2019年に9.2%、2020年に10.8%と急増していることが分かった。さらに、中学卒や高校卒の人は大学卒や大学院卒に比べて加熱式たばこの受動喫煙に対する曝露リスクが約60%高くなっていた。
加熱式たばこはたばこの葉を過熱して蒸気を出す仕組み。副流煙はないものの、受動喫煙でのどの痛みや気分不良を引き起こすことが報告されている。研究チームは加熱式たばこの受動喫煙が急増し、新たな社会問題になりつつあるとみている。このため、加熱式たばこの受動喫煙防止に向けた施策の立案に研究成果を使う必要があるとしている。