日本財団は、人道支援の一環として、戦時下のウクライナに残る障害者に対する支援と、日本人学生ボランティア105名の派遣計画を発表した。日本財団によるウクライナ支援の第2弾となる。

 今回発表されたウクライナ支援の内容は2つ。1つ目は、アクセス・イスラエル※への協力を通じて、ウクライナから隣国へ避難する障害者への支援(約2.9億円)を行う。避難時に使用する車10台などを準備し、避難を希望する障害者の救出及び必要な生活用品等の提供、ポーランド、ルーマニア、オーストリア、モルドバ、スロバキア等の隣国に避難した障害のある避難民に対する一時滞在場所の提供や生活支援協力を行う。

 障害者の具体的な避難場所は、ポーランド南部のクラクフを考えているが、場合によってはオーストリアのウィーンまで含めることも検討している。状況に応じて柔軟に対処する考え。現状の避難民支援については、健康な女性、子どもが中心のため、日本財団が障害者の方々も同様に避難できるよう支援する。

 2つ目は、ウクライナ隣国への日本人学生ボランティア105名の派遣。活動内容は、避難民に対する医薬品、食糧品等の配布、救援物資の管理、情報発信活動等。派遣先は、クラクフ、ウィーンなど避難民が多く逃れた地域を予定している。国際社会のNGOが集まっている中で、救援活動を通じて日本の学生が国際社会の現状について知ることは日本の将来にとって非常に重要なことであるとの視点から、学生ボランティアの派遣を決定した。

 ボランティアの募集人数は、最大105名。15名を2週間、10月までに計7回に分けて派遣する。第1回派遣は5月30日~6月16日(予定)。参加の条件は、申し込み時点で大学等に所属する18歳以上の学生、日本のパスポートを所持しているか、申請済みであること、日本在住であること、英語で十分にコミュニケーションができることなど。選考方法は、書類審査(400字程度の志望動機)とオンライン英語力テスト(スピーキング・リスニング・ライティング)としている。

 現在、第1回派遣15名を募集中。参加希望者は、日本財団ボランティアセンターのホームページから志望動機を提出。その後、英語力テストの案内がメールで送付される。オンライン選考日程の関係上、英語力テストは5月10日(火)13:00までに受ける必要がある。

 2022年3月28日に発表したウクライナ支援第1弾は、ウクライナから日本に避難するウクライナ国民への、渡航費・生活費・住環境整備費を支援(約35.5億円)とウクライナ避難民の受け入れや生活支援を行う各地域のNPO団体や、市民社会の活動を対象にした助成プログラム(約15億円)。

※アクセス・イスラエルは、長く紛争の続いているイスラエルで1999年に、障害当事者によって設立されたアクセシビリティに関する活動をするNGO

参考:【日本財団ボランティアセンター】The Volunteer Program for Ukraine【Group1】

大学ジャーナルオンライン編集部

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