リクルート進学総研では、高校生の進路選択の現状を明らかにするため、進路選択行動の時期やプロセスを中心に、進路選択に際しての情報源、学校主催イベント、出願状況についての調査を実施。調査結果の一部を公開した。

 進学する大学の志望順位と合格した入試方法をみると、第1志望校への進学者は68.3%。前回(2019年)より14.8ポイントと大幅に増加した。特に総合型・学校推薦型選抜合格者の第1志望率は86.6%と非常に高い。年内入試合格での進学者は7.9ポイント増え47.0%、逆に年明け入試層は9.8ポイント減少で47.1%とほぼ同率となり、年内入試合格による進学者が大幅に増加した。

 進路選択活動は、年内入試合格層が増えており、受験時期が早まっているため、全体的に早まっている。コロナ禍の影響でオープンキャンパス参加率は減少傾向にあるものの、実際に入学した大学へのオープンキャンパス参加率も7割を超え(前回比+4.3ポイント)、早期に志望校を絞り込む動きが高まっている。

 出願校数は、早期に受験校を絞り込む、かつ受験時期の年内シフト加速の動きにより減少。複数校受験する高校生が減少傾向にある。

 日本私立学校振興・共済事業団によると、マーケットは18歳人口減少と大学定員の増加により、2021年では私立大学の46.4%が定員割れ、定員充足率は99.8%という状況だ。そのため、入学者獲得のため年内入試の合格者を増やしており、一般入試を含めた志願倍率は低下している。よって、総合型選抜や学校推薦型選抜などへのシフトに加え、“合格しやすい”受験環境となっていることも、第1志望校割合を押し上げている要因と考えられる。

 このほか、進学先検討時の重視項目については、1位「学びたい学部・学科・コースがあること(76.5%)」、2位「自分の興味や可能性が広げられること(38.6%)」、3位「教育方針・カリキュラムが魅力的であること(35.8%)」だった。過去2回(2016年と2019年)の調査と比べると、「教育方針・カリキュラムが魅力的であること」「社会で役立つ力が身につくこと」「教育内容のレベルが高いこと」の項目が順位を上げ、中でも教育方針・カリキュラムは、2016年16位→2019年12位→2022年3位と大幅に順位を上げた。一方、「資格取得に有利であること」 「偏差値が自分に合っていること」 「キャンパスがきれいであること」が順位を下げた。

参考:【リクルート進学総研】進学先が第1志望校だった割合は14.8ポイント増え約7割に進学する大学のオープンキャンパスへの参加は増加 志望校絞り込みが早期化へ(PDF) 

大学ジャーナルオンライン編集部

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