内閣府による革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)タフ・ロボティクス・チャレンジの一環として、東京工業大学の中臺一博特任教授らの研究グループは、要救助者の声などを検出して、迅速な人命救助を支援できるドローンのシステムを世界で初めて開発した。

 これまでドローンを使った要救助者捜索技術は、そのほとんどが視覚に頼ったものであり、人が瓦礫の中にいて見つけにくい場合や、夜間や暗所などカメラが使えない状況では利用できず、捜索の大きな壁になっていた。

 要救助者発見には、音声情報も重要な役割を果たすが、災害現場では、周囲の騒音や機材の音があるため、助けを求める声を聞くことが難しい。また、ドローンはそれ自体がプロペラや風による騒音が大きく、地上からの救助者の声を聞くことが困難であるなどの問題があった。

 そこで、研究グループは、”ロボットの耳”のソフトウェアHARKを応用したマイクロホンアレイ技術を用い、ドローンの騒音下でも音源の検出を可能にした。また、三次元音源位置推定および地図表示技術を開発し、目に見えない音源を操作者にもわかりやすく可視化するインターフェースを構築した。さらに、全天候型マイクロホンアレイを開発し、雨天時でも救助者の捜索を可能にした。

 今後、研究チームは、実環境に近いレベルで実証実験を続けることにより、より使いやすく頑健なシステムの構築を目指すとしている。近い将来、ドローンがレスキュータスクの有望なツールとなることが期待できる。

早稲田大学

研究・教育・貢献を3本柱に、「世界で輝くWASEDA」をめざし改革

早稲田大学は、「学問の独立・学問の活用・模範国民の造就」の3つの建学の理念に基づき、答えのない課題に挑む礎となる力を全学生が磨ける比類ない環境を整備。揺るぎない国際競争力を備えた世界トップクラスの大学「世界で輝くWASEDA」をめざし、「研究の早稲田」「教育の[…]

東京工業大学

時代を創る知を極め、技を磨き、高い志と和の心を持つ理工人を輩出し続ける理工大学の頂点

東京科学大学 理工学系(東京工業大学)は大岡山、すずかけ台、田町の3つのキャンパスを持つ国立の理工系総合大学です。卓越した教員と充実した設備を有し、世界を舞台に地球規模の課題を解決する研究を行っています。学生の希望に柔軟に応える留学プログラムや特徴ある教養教育[…]

熊本大学

真実や新しさを探求。熊本大学は「真のグローバル大学」をめざす

130年を超える長い歴史と伝統を持った熊本大学は、教育戦略に「旧制五高以来の剛毅木訥の気風を受け継ぎ、“Global Thinking and Local Action”できる人材育成」を掲げています。輝く未来のために新しい創造的な「知」が生まれ育ち、いかなる[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。