2022年7月20日、近畿大学通信教育部は、広域通信制高校の屋久島おおぞら高等学校と高大連携の覚書を締結した。通信制高校卒業者の大学進学率向上に寄与することを目的としたもので、近畿大学通信教育部が高等学校と覚書を取り交わすのは、今回が初めて。
近年、全日制高校と比べて指定された登校日が圧倒的に少なく、多様な登校・通学スタイルを選択することができるため、進学先に通信制高校を選ぶ生徒が増えている。文部科学省「学校基本調査」によると、2011年に通信制高校を選択した生徒は3.9%に過ぎなかったが、2021年には6.2%まで増加。一方、全日制・定時制高校卒業者の57.4%が大学に進学するのに比べ、通信制高校卒業者の大学進学率は19.5%に留まっている現状もある。
今回の覚書によって、通信制の大学と高校が連携し、高校在学時に培った通信制特有の学習方法を生かしつつ、スムーズに大学での学習に移行させ、通信制高校卒業者の大学進学率向上に寄与することを目指す。
具体的には、近畿大学通信教育部は、屋久島おおぞら高校の生徒を科目等履修生として受け入れ、高校在学中に通信制大学の学習を体験する機会を提供。屋久島おおぞら高等学校は、屋久島おおぞら高等学校および全国45カ所のサポートキャンパスを、近畿大学通信教育部のスクーリング会場、試験会場として提供する。
さらに、屋久島おおぞら高校の生徒が高校在学中に近畿大学通信教育部の単位を修得すると成績証明書が発行され、近畿大学通信教育部に進学すれば修得済みの単位として認定される。また、入学金(20,000円)も免除となる。