起業支援のスタートアップスタジオである株式会社ガイアックスは、2021年10月に引き続き、全国の大学(高専・高校含む)の起業部・起業サークル・起業コミュニティをまとめた「全国起業部マップ」第2弾を2022年8月17日に公開した。さらに、起業に興味がある高校生や大学生が起業を経験できるよう、団体の名称と活動内容を一覧化した。
ガイアックスでは、学生起業を検討している高校生、高専生、または大学生に向け、日本初の「全国起業部マップ」を2021年に公開。学業で専門性を学びながら、部活もしくはサークル活動・コミュニティという形式で、起業の経験を得られる教育機関をリストアップしている。
「全国起業部マップ」第2弾の調査期間は2021年10月~2022年8月。大学の公式・非公式の起業部またはサークル、その他ビジネスコンテスト運営組織を対象にインターネット調査(インタビューを含む)を行った。全国の起業部・サークル数は43大学。地域ごとにみると、北海道エリア2大学、東北エリア2大学、関東エリア13大学、中部エリア5大学、近畿エリア12大学、中国・四国エリア4大学、九州・沖縄エリア3大学、エリア指定なしが2団体だった。
調査をはじめた2018年以降、起業部の数は2倍以上に増加したが、2021年と比較した際、大学起業部の数が14%減少していることが明らかになった。2022年(1月~8月)に新規設立された起業部は6団体いるが、一方で、14団体が廃部もしくは活動休止となっている。
調査によると、新規に起業部を設立した理由として、「学生起業をしたい人が十分な支援を受けられる環境がないことを課題に感じ、自分たちの力で解消したいと思った」「将来起業を考えており、仲間と一緒に成長していけるコミュニティの必要性を感じた」「本質的な起業のノウハウを学び、起業に関するマインドを養うことで視野を広げたい」といった前向きな意見があった。
一方で「幹部メンバーが勉強会を開催するなど一部のメンバーにとって運営コストが高い」「(自分の次の)代表候補がいない」といった課題もあがっており、起業部を継続することの難しさが伺える。また、2022年(1~8月)に新規設立された起業部は千葉大学、名古屋大学、近畿大学、神戸大学、関西学院大学、岡山大学といずれも東京以外に拠点を持つ大学だった。会社設立経験の有無は東京と他地域で格差が2倍あるが、大学もしくは学生が主体となり、起業環境の整備が全国に広がっていることがわかる。
なお、「全国起業部マップ」は、起業環境の見える化のためにガイアックスが独自に調査・作成しているもので、網羅性や正確性を完全に担保するものではない。
参考:【PR TIMES】ガイアックス、「全国起業部マップ」の第2弾を公開!〜昨年比にて新規設立部数を休部・廃部数が上回る、継続性担保が焦点〜