京都大学大学院情報学研究科の井上昴治助教、Divesh Lala特定研究員、河原達也教授らの研究グループは、人が笑ったときに笑い返すことができる会話ロボットを開発した。
京都大学によると、研究グループは初対面の男女による82の会話データから同調笑いが生まれた個所と一方だけが笑っている個所を抽出するとともに、同調笑いが生じた個所を大笑いか社交的な笑いかを判定、話し相手の音声から①相手が笑ったか②自分も笑うか③どのように笑うか-を判定する3つのモデルを構築して自律型アンドロイドの機能に加えた。
さらに、アンドロイドとの対話音声を作り、クラウドソーシング上で130人以上の第三者に聴取してもらったところ、新機能の有効性と同調笑いを適切に行うことでロボットの共感や人間らしさが向上することが確認された。
会話AIを搭載したロボットは聞かれたことに適切に答えられるようになっているが、話し相手の人間に共感するのが難しく、自然な話し相手として人と共生できる存在になり切れていない。
日本のような超高齢化社会では、人と共生できる会話ロボットの実現が期待されている。研究グループは今後、さまざまな会話場面にこの同調笑いを適用し、効果を検証することにしている。