2023年春に卒業を予定する大学生の10月1日現在での就職内定率が74.1%に達し、前年同期比2.9ポイントの上昇となったことが、文部科学省と厚生労働省の調査で明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(76.8%)には及ばなかったものの、2008年のリーマンショック後だと4番目に高く、コロナ禍が続く中、新卒採用が回復基調にあることを示している。
文科、厚労の両省によると、内定率を男女別に見ると、男子大学生は前年同期比2.0ポイント増の72.7%、女子大学生が4.0ポイント増の75.7%。国公立大学は男子74.8%、女子75.2%で、私立大学は男子72.1%、女子75.9%だった。
文系・理系別では文系が前年同期比2.7ポイント増の73.5%、理系が4.0ポイント増の76.6%となった。大学の所在地別では、関東地方が前年同期比3.7ポイント増の81.3%に上り、最も高かった。
コロナ禍での新卒採用は今回が3年目。1年目の2020年10月時点の内定率は前年同期比7.0ポイント減の69.8%と急落した。2年目の2021年10月時点は71.2%とわずかながら持ち直していた。
新型コロナ感染は第8波に入り、まだ終息を見通せない状況が続いているが、コロナ下で手控えてきた反動と、旅行や宿泊業で採用枠を増やす企業が増え、2年連続の回復となったとみられている。
短期大学の内定率は前年同期比12.4ポイント増の45.9%、高等専門学校は6.1ポイント増の93.2%、専修学校専門課程は0.6ポイント増の55.3%だった。