株式会社リクルートが提供する進路情報メディア『スタディサプリ進路』は、進路を考える高校生の進路選択に関する状況や意識などを把握するために、定期調査を実施している。今回、2022年9月に大学への進学意向のある全国の高校生を対象に実施した「高校生の進路選択行動影響調査」調査結果の一部を公表した。有効回答数:2,524人(高校1年875人、高校2年837人、高校3年812人)

 2022年4月から新学習指導要領がスタート。新課程では教科・科目が再編され、高校で学習する内容も大きく変わっており入試も変更となる。2022年4月時点の高校1年生から年次進行で変更するため、現高校2年生は旧課程対応入試ラスト年度の学年となる。本調査では新課程対応入試について、旧課程ラストの高2と新課程初年度の高1の認知と進路検討への意識変化を問うた。

 調査によると、「2025年度より新課程に対応した入試変更になることを知っているか(高1、2対象)」を聞くと、新課程対応入試の認知度は63.2%。変更初年度対象である高校1年生の認知は66.6%で早期から入試への意識は高い傾向。「新課程に対応した入試変更により進路検討において意識することはあるか(高1、2対象)」については、高校1年生は「進路検討を早く始めたい」(48.3%)、高校2年生は「現役で進学したい」(49.4%)について意識する割合が最も高かった。高校2年生は浪人回避意向が強く出ており「現役で進学したい」が約半数だった。

 「第1志望校は決まっているか」を聞くと、9月時点の第1志望校決定率は、高校1年生36.4%、高校2年生56.6%、高校3年生88.5%。前年比増加率で見ると、高校2年生で7.8pt増えて半数超えの56.6%と、「第1志望校決定」はさらなる早期化の様相を呈している。検討している入試方式については、「総合型選抜」が前年比で最も増加し+4.7pt(20.8%)、他に「学校推薦型選抜(公募制・指定校)」といったいわゆる『年内入試』を検討している高校生が増加している。

 今回の調査結果から、第1志望校決定時期が早期化し、受験検討方式の『年内入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)』が増加していることが明らかになった。注目すべきはこの傾向が、学年や大学・短大進学率問わず起きていることである。『年明け入試(一般選抜・共通テスト利用)検討層』は67.0%で『年内入試検討層』47.8%より多いが、対前年比で見ると『年内入試検討層』の増加幅(+4.5pt)が大きい。

 リクルート進学総研の研究員池内摩耶氏は「高校生が十分な情報収集や準備期間を確保し、満足のいく進路検討を進めるためには、肝心の入試方式についての情報が出揃うことが重要。学力観も多様化する中で“自分に合っている大学”を入学前に見極めるのは相当に難しい。最初に決めた第1志望校を受験時変更する高校生は4割で、6割は変更しない(リクルート進学総研「進学センサス2022」より)ことからも、大学側は第1志望候補校リストに低学年検討時に入るための広報活動がさらに求められる」と指摘した。

参考:【PR TIMES】“新課程に対応した入試変更”の生徒認知度※は66.6% 「進路検討を早く始めたい」「入試方式を早く知りたい」 進路検討早期化への意識高まる 

大学ジャーナルオンライン編集部

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