国立大学協会は政府が進める高等教育無償化の支援対象者、対象校の選考について、学生の利益を第1に考えて進路選択の自由を阻害しないようにするとともに、大学の自律性や主体性の尊重を求める声明を発表した。

 国立大学協会によると、声明は山極壽一会長(京都大学総長)の名前で公表した。政府が2017年12月に公表した「新しい経済政策パッケージ」で真に支援が必要な子どもたちに対し、授業料の減免や給付型奨学金の拡充を進めるとしたことについて、大いに賛同し、歓迎する意向を表明した。

 支援対象者や対象校の要件を定めることに対しても、多額の税金を投入する以上、公平性を担保する必要があるとして、一定の理解を示している。
しかし、学生が学びたい分野、将来就きたい職業が多種多様であるとし、要件を定めるうえでこれら学生の希望を最大限に尊重し、進路選択の自由を阻害しないよう配慮を求めた。
また、国立大学が地域と国の発展を支え、世界をリードするという重要な使命を果たすため、多様な教育を展開していることについても、要件制定によって自律性や主体性が損なわれないよう留意することを強く要望している。

参考:【国立大学協会】高等教育無償化(負担軽減)について(声明)

大学ジャーナルオンライン編集部

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