公益財団法人日本スポーツクラブ協会は、学校運動部活動の地域移行を円滑にサポートするために即戦力となる部活動指導員の養成を目的とした「学校運動部活動指導士養成(資格認定)講習会」を2022年より開始している。第3回となる講習会は、2023年3月10日(金)~12日(日)に駒沢オリンピック公園陸上競技場会議室にて開催する予定。中学生の体力トレーニング法や初心者・初級者指導のコツなどを教える。
学校の働き方改革を踏まえて部活動指導員制度が法制化され、2018年3月には「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が策定された。これを受け、2023年から始まる学校運動部活動の学校から地域への移行に向けたモデル事業が日本全国各地で始まっている。一方、移行のあり方については学校と地域との協議に委ねられており、特に部活動指導に関する資格や講習会が制度的に用意されていない。そのため学校現場において混乱が生じるなど、円滑な移行が危惧される状況にある。
日本スポーツクラブ協会では、こうした状況を整理するとともに、学校現場が求める即戦力となる運動部活動指導者の育成を図るため「学校運動部活動指導士養成(資格認定)講習会」を開催。児童・生徒のスポーツ・運動部指導に興味・関心・経験等のある満22歳以上を対象に3日間の講習会を行う。
カリキュラムは学校教育法、運動部活動のマネジメント、児童・生徒の理解、アンガーコントロール等の理論編と、運動学習理論、体力トレーニング、スポーツ指導法、コーディネーショントレーニング等のスポーツ科学領域の演習編2種類を用意した。理論編の資格検定および演習編の講習会合格者には「学校運動部活動指導士」の資格が付与される。なお、資格保持者には体罰やハラスメント根絶を厳守する「ハラスメント防止宣言」が義務付けられる。
第3回となる3月10日(金)からの講習会では、日本女子体育大学の芳地泰幸准教授による「チームビルディング:個性を育むチームづくりとリーダーシップ」、日本体育大学の杉田正明教授による「中学生年代の体力トレーニング法」などのカリキュラムが予定されている。