キャリア官僚として中央省庁で働く国家公務員総合職の採用試験申込者が、2018年度は対前年度比4.8%減の1万9,609人だったことが人事院のまとめで分かった。2年連続の減少で、理工系、農学系など技術系の落ち込みが目立っている。就職戦線が売り手市場となる中、民間企業の専門人材採用拡大が影響したとみられる。
人事院によると、申込者の内訳は院卒者が対前年度比11.7%減の2,181人、大卒程度が3.8%減の1万7,428人。試験の区分別では法文系が2.2%減の1万4,550人だったのに対し、理工系は10.8%減の3,752人、農学系は13.4%減の1,307人と減少幅が大きかった。
女性の申込者は院卒者試験が588人、大卒程度試験が6,324人の合計6,912人。申込者全体の35.2%に達し、総合職試験導入以来7年連続で3割を超すとともに、過去最高を更新した。
総合職試験の第1次試験は4月29日にあり、5月11日に合格発表される。第2次試験は筆記が5月27日、政策課題討議試験と人物試験が5月29日から6月15日の間に予定されている。最終合格発表は6月29日で、最終合格者による官庁訪問は7月4日からになる。
リクルートワークス研究所の調査では、2019年3月卒業予定の大学生の求人倍率は1.88倍と7年連続で上昇している。民間企業が好景気を反映し、求人総数を前年の75万5,000人から81万4,000人へ増やしたためで、売り手市場の様相が強まっている。